さまよえる仔羊

優柔不断全開、人生の迷子であるひつじ™のアレコレ。

Book: 「リセット」 北村薫

前半は、第二次世界大戦当時の女学生の目線で描かれる。当時の女学生の日常が、淡々と、実に淡々と描かれている。そして、悲劇は突然訪れる。 「時と人」三部作の最終作品。いつ、誰が、どんな風に時間の罠に落ちるのか。今か今かと読み続けた。でも、その答…

Book: 「夜のピクニック」 恩田陸

高校三年生。夜のピクニックに登場する二人の主人公ほどの複雑な問題も抱えず、私は毎日をのほほんと生きていた。それでも、私なりの悩みはあったし、友人たちもそれぞれ悩みを抱えていたように思う。当時の自分にとっては人生の大問題だった悩みを打ち明け…

Book: 「ターン」 北村薫

北村薫の時と人三部作の二作目。ここに来て、気分は尾道三部作になりつつある。 今回の主人公は、29歳の版画家。もちろん女性。ある日、自動車事故に遭ったはずが、目を開くと実家の居間に。夢かと思ったが、彼女は前日の15時に引き戻され、同じ一日を永遠に…

Live: Suzanne Vega at Billboard Live 2012

抑揚のない少し退屈そうな声が、同じメロディを口ずさむ。歌詞の内容は日常の切り取りに過ぎない。楽器の音は一切なく、まるで自分の身の上話を聞かせるかのようにつぶやくような歌声が延々と続く。そして、突然、終わる。 スザンヌ・ヴェガのTom's Dinerだ…

Book: 「虐殺器官」 伊藤計劃

読み終わってしまった。できるだけ丁寧に時間をかけて読んだ。そこに書かれていることが、私も経験するだろうほんの少しの未来に思えたから。私自身、これから確実に押し寄せてくる目の前の未来に、どう対応すべきかを考えたかった。それだけリアルな世界だ…

gadget: ポメラのケースを作ってみた

昨年のクリスマス、オットからもらったポメラDM100。 使えば使う程愛着が湧いて来て、外出の時にはできるだけ持ち歩いてるのだけれど、もらって早々底に付いているゴム足が取れそうになるトラブル発生。 これはケースに入れるなど対策を講じなければとネット…

Comic: 「泣き虫チエ子さん」 益田ミリ

益田ミリさんとの出会いは、「すーちゃん」。オットが買って来てくれたように記憶しています。極端に力の抜けた絵とやけにリアルな女性の本音。自分でも気づかずについたため息のように、女性たちのひとり言が聞こえるような。共感共感共感の連続。オットが…

Book: 「ほかならぬ人へ」 白石一文

タイトルがずっと気になっていた。単行本の表紙のイラストも気になっていた。泣いているのだろうか。悔いているのだろうか。愛しい誰かを思っているのだろうか。 男女の恋愛を綴った短編集で、タイトル作品は冒頭にある。 私自身は疾うの昔に恋愛に対するフ…

Book: 「肩ごしの恋人」 唯川恵

直木賞受賞作品をとにかく読み漁ってみようと思い立ち、最初に手にしたのがこの本だ。唯川恵の作品はこれまでにもいくつか読んでいるが、毎回、ふーんという感想だった。正直に言うと、あまり男女の恋愛をテーマにした作品は好きではない。描かれる世界が私…

Book: 「カディスの赤い星」 逢坂剛

PR会社社長である主人公がクライアントから受けた人探しの依頼。行方知れずのギタリストを捜すうちに、スペインの民主改革の波に巻き込まれて行くハードボイルドサスペンス。 この本を読み始めてまず驚いたのが、スペインの民主化が私が生まれた後に為された…

Book: 「スキップ」 北村薫

ハリガネムシの傷をえぐり続けるような描写に疲れて次に手を伸ばしたのが、北村薫の「スキップ」。とにかくクリアなミネラルウォーターを飲みたかった。そんな気分だ。 携帯小説にありそうな横文字単語のタイトルになかなか手が出なかったのだが、時と人三部…

Book: 「神の火」 高村薫

図書館で北村薫作品を読もうと手に取った時、短絡的に高村薫のこの作品を読みたいと思っていたことを思い出しました。 原発を扱った作品です。 3.11以来、原子力発電にまつわる問題については何ともすっきりしない思いを抱えて来ました。情報ばかりが溢れ、…

Book: 「ハリガネムシ」吉村萬壱

正直な話、読み終わった後はなんつーしょうもない話だと思った。平凡だったはずの高校教師が堕ちていく。ただそれだけの話だ。 そのしょうもなさ、不快さ、どうしてこうなるんだという納得のいかなさ。にも関わらず、一気に読み終わってしまった。理不尽なそ…

読了記録を書いてみることにした

思うところあって、昨年2011年の11月頃より直木賞作家の作品を読み始めた。家にモノが溢れているので、できるだけ本は買いたくない。だから、久々に図書館を活用している。自宅の周囲には、自転車や徒歩で移動できる範囲内に大小4つの図書館がある。実に恵ま…

Book: 「鷺と雪」北村薫

はじめて北村薫作品を読んだのはもう10年前。団塊世代の男性の大絶賛を聞いてのことでした。なるほど、北村氏は団塊世代。これは当たり外れが大きいぞと思いつつ「夜の蝉」を書店で手にしたのですが、日常に紛れる小さな謎とやさしい語り口。すっかり北村ワ…