さまよえる仔羊

優柔不断全開、人生の迷子であるひつじ™のアレコレ。

Live: Suzanne Vega at Billboard Live 2012

抑揚のない少し退屈そうな声が、同じメロディを口ずさむ。
歌詞の内容は日常の切り取りに過ぎない。
楽器の音は一切なく、まるで自分の身の上話を聞かせるかのようにつぶやくような歌声が延々と続く。
そして、突然、終わる。

スザンヌ・ヴェガのTom's Dinerだ。

友人に誘われ彼女のライブを観に行った。
曲は二曲しか知らない。
Luka、そしてこの曲。
それでも、十分に楽しめた。

彼女は変わらない。
あまりにも変わらなかった。
容姿はそこそこ年を取っていたが、曲も声も当時のままだ。
途中ロックに傾倒したと聞いていたが、私の知っているスザンヌ・ヴェガがそこにいた。
そこに、彼女の精神性が透けて見えるようだった。

ライブが終わりアンコールで彼女が登場した時、ステージ背後にあるカーテンが開いた。
窓の外は雪が舞い、世界は一変していた。